2024.11.01

四天王寺東中学校・高等学校様

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四天王寺東中学校・高等学校

聖徳太子の仏教精神に基づく情操教育の実践及び教科学習・学校行事・クラブ活動を通して、豊かな人間性を備え、知・徳・体すべてに調和がとれた人物の育成を掲げている。また、社会ルールや校則を遵守し、探究型学習やICT教育等に積極的に取り組み、粘り強く努力を重ねて学習に励むことにより、希望する進路を実現し、将来、リーダーとして活躍できる人間力を備えた人物の育成を目指している。

一人一台端末所持体制について

【お話を伺った先生方】
伊藤元也先生

伊藤元也先生

現在の一人一台iPadを所持する体制を整えたのはいつからでしょうか?

(伊藤先生)
四天王寺東高等学校は2017年開校ですが、開校段階から一人一台iPadを導入する体制を続けております。一方で、中学校については、中学生の段階で端末を持たせることは少し早いのではないかという議論がありましたが、コロナの影響もあり、最終的に2021年から一人一台iPadを所持する体制を整えました。中学校と高校では購入方法に違いがあります。高校は各ご家庭に端末を購入いただいていますが、中学校は入学段階で端末を購入してしまうと、6年間の在学期間内にバッテリーの耐用年数の問題が出てくる可能性があります。それらを考慮し、Apple Financial Servicesというリースを使って端末を調達することとしました。

現在の体制に至るまでの経緯を教えていただけますでしょうか?

本校は中学校が先に開校しているのですが、創設段階から電子黒板を各教室に導入するなどICTの素地が基盤としてできていました。そのため、高校開校の際もiPadを一人一台生徒に持ってもらうという流れが自然に生まれたように感じます。
一方、教員用のiPadは予算の関係もあったので、ICTに長けた教員から徐々にiPadを配布する形を取りました。そのため、最初から全教員がiPadを使って自由に授業をしていたというわけではなく、徐々に現在の体制が整えられたという流れとなります。
非常勤の教員も含め、全ての教員にiPadが行き渡った頃ちょうどコロナが発生しました。コロナ禍以前は、教員ごとに授業でのiPad活用状況に差がありましたが、コロナ禍を経たことで、ロイロノートスクールを中心に授業を組み立てていくことが多くなったように見受けます。

授業風景①

採用するデバイスをiPadにした理由

デバイスをiPadに選定した理由を教えていただけますでしょうか?

本校がデバイスを選定する際、既にiPadを活用して授業をしていた学校に色々お手伝いをいただいたこともあり、教育現場ではiPadが一番使用しやすいだろうという感覚がありました。他のデバイスへの切り替えを検討したこともありますが、先ほどお話ししたロイロノートスクールとの親和性も考慮し、iPadを継続して使用しております。

iPadを利用する様子①

iPadを教育活動に取り入れたことで効果を感じる場面はどのようなものでしょうか?

iPadを授業で使用することが深く浸透しているため、iPadがなければ教員は困ってしまうと思います。その一番大きい要因が、ロイロノートスクールが便利に使えるという点であると感じています。ホワイトボードに画面を投影することが容易であるため、投影したものに対して赤ペンをいれていくといった授業展開が可能になります。それだけでも授業の効率化につながっていると感じますので、導入の効果があったのではないかと思います。ちなみに、私は英語の教員なのですが、科目自体マルチメディアを取り入れやすいと考えております。実際、生徒に対して、音声を聞かせたり、あるいは生徒の音声を録音したり、説明を録音したものを生徒に送って家庭学習をしてもらったりしています。また、入学時iPadを手にした瞬間、生徒はものすごく盛り上がります。嬉しい様子がこちらに伝わってきますので、iPadそのもの自体にも魅力があるのだろうなと感じています。

他にも特徴的な活用方法は何かありますでしょうか?

本校の体育祭では各学年が集団でダンスをするのですが、体育の時間内だけではなかなか覚えきれないという声が生徒から挙がります。iPadがあれば、ダンスの動画を生徒に配信することができますので、自宅でも練習がしやすくなっているようです。また、理科では実験の様子をiPadで記録しているようです。私が担当している英語では、辞書アプリをよく使いますし、生徒の意見を聞くためのアンケートもロイロノートスクールを使って実施しています。尚、ロイロノートスクールは授業だけではなく、生徒と教員間のやり取りでも使用しています。

iPadを利用する様子②

伊藤先生の授業はどのような進め方でしょうか?

私が担当する授業では、授業中は生徒の活動が中心となるように組み立てています。家庭で取り組んでもらうこととしては、学習した内容をインプットする作業や、解説の音声やプリントの内容を確認することなどです。では、学校の授業で何をするかというと、本文を読んだり、解説をするのではなく、リスニングを実施したり、友達との英問英答、答えをシェアするといった活動をしています。授業を ICT 化するということは、今まで実施していた授業内にデバイスが入ってきて、それを教材として使おうというのではなく、授業デザインそのものを変えていける可能性があるということだと私自身は考えています。

授業風景①

生徒はiPadをどのように活用していますでしょうか?

勉強で活用することはもちろんのこと、その他にも、オープンスクールの際に各コースの特徴などを生徒が説明するためのプレゼン資料もiPadで作成しています。生徒はCanvaを使用して資料を作成していますが、教員に比べるとずっと上手く使用できている印象です。
校務ではWindowsを使用しており、生徒はiOSを使用していますので、私個人の思いとしては、同じプラットフォームで使用できるウェブアプリの方が良いと思っていますので、プレゼンテーションについては統一してCanvaを使用したいという気持ちがあります。

部活動でiPadを活用する場面はありますでしょうか?

私は放送部の顧問をしておりますが、放送部ではiPadを積極的に活用しております。取材活動が中心になりますので、生徒との連絡ツールとしても使いますし、ロイロノートスクールの機能を使いながら番組構成を練ることもあります。録音機能や録画機能も色々な場面で使用していますが、全般的にiPadなしでは部活動ができないという状態になっているくらいです。他の部活の話だと、昔の軽音学部の練習といえば、楽譜を見たり、耳コピをしたりというのが一般的だったと思いますが、現在ではドラムを叩いている映像を見ながら練習をしたりしています。
テニスのフォームなどといった運動に関する動画もYouTubeを見たら全て落ちていますので、運動系の部活の生徒も活用している場面は多いのではないでしょうか。iPadを使うとその場で動画を見ながら色々なことができるので、活用している生徒は相当数いるのではないかと思います。

校内風景

加賀ソルネットについて

導入業者として加賀ソルネットを選択し、満足いただいている点と今後期待する点を教えていただけますでしょうか?

納期についても本校の希望するスケジュールに合わせて生徒に配布できるよう段取りをしていただいていますので、大変助かっております。また、以前利用していた業者とは異なり、修理等の面に関して学校を介さずに直接やり取りをしてもらっているので利便性を感じております。一方で、どの生徒の端末が修理中なのかといった細かな情報まで学校側が知ることができると大変ありがたいと感じます。また、修理から戻ってきたあとの端末設定の手順が示されているWebページがあると便利です。

iPadを利用する様子❸

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