茨城キリスト教学園高等学校様
茨城キリスト教学園高等学校はICT教育において「茨城県内トップクラスのICT教育の実践」を目指し、2018年から生徒一人一台iPadを所持する体制をスタートさせている。授業やHR活動で積極的に使用しているが、ICT機器を使うことを目的とするのではなく、「何のために」「どのように」使うかを重視している。
iPad導入経緯
クリエイティブの面において優れているデバイスを選ぶことが大事
【お話を伺った先生方】
ランドル W.ヴォス校長先生、鳥居洋介先生(情報科)、藤本邦章先生(英語科)、槍崎瑞之先生(数学科)
貴校では、一人一台iPadを所持する体制が整っていますが、
そもそもApple製品を導入しようと思ったきっかけはあるのでしょうか?
(ランドル W.ヴォス校長)
私はアメリカ出身ですが、元々アメリカは日本よりも早く教育現場でのICT化が進んでいたと思います。教育の現場では、企業よりもクリエイティブな活動をする側面が多く、教育においてはApple製品が適するのではないかという印象を強く持っていました。もちろん、Appleという企業やApple製品自体のブランドと信頼性も選定理由の一つです。また、これが一番大事なことなのですが、私が日頃から学園の先生たちに伝え続けてきた”Student first”の精神もApple製品の選定に反映させました。何よりもデバイスを手にした時に、生徒の皆が「おおっ!」といった感覚を持つことが大事であると考えました。そのような面からもiPadを導入したことは正しかったと確信しています。
2018年より生徒一人一台iPadの体制を整えていた
授業でどのようにiPadを活用していますか?
(藤本邦章先生)
私は英語を教えているのですが、iPadは学校案内のパンフレットを英語で作成することやプレゼンテーションを行う際に活用しています。また、英語暗唱大会練習用アプリ「RecEcho」を開発し生徒には使ってもらっています。さらに、総合的な探究の時間において、積極的にiPadを活用しています。情報の収集はもちろん、まとめ・表現をiPadで行うことで生徒は創造的に成果物を発表することができています。
(槍崎瑞之先生)
GeoGebraという無料の数学ソフトウェアを使用し、図形を立体的に作成しています。図形を可視化できるため想像がしやすく、授業内で活用しています。また、校内のICT環境が整ったことで生徒ができることが増えました。次の段階としては、我々教員が生徒にどのように使ってもらうかの指導、よりICTを活用できるような選択肢を提供することが大事であると考えています。
(鳥居洋介先生)
Sphero BOLTというボール型のロボットを動かすためのプログラミングをiPadで行っています。iPadにインストールしたアプリでプログラムを組み、実際にロボットを動かしています。簡単な指示からJava Scriptテキストを使用した指示まで、幅広いプログラミングを楽しみながら学ぶことができます。iPad導入当初に比べると、現在ではiPadを学習道具として使うことが生徒にとって当たり前になっているように感じます。ノートを取るにしても、iPadのメモ機能を使用していますし、調べ物をするときもすぐにブラウザを立ち上げている印象です。また、教員の活用法として、生徒からの提出物の確認や採点にロイロノートを使用しています。プリントや教科書の回収が減ったため、デスク回りの整理にもiPadは役立っています。
(ランドル W.ヴォス校長)
2018年より生徒一人一台iPadの体制を整えていたおかげで、コロナで一斉臨時休校になった際にも、すぐにリモートに切り替えて対応することができました。主要5科目だけでなく、その他の科目も含めすべてを時間割通りに行いました。科目を問わず全教員がリモート環境に適応したことで、生徒の学習機会を失わずに済んだと思います。これらの対応は当時新聞でも話題になりました。
授業以外の場面でもiPadを有効に活用
授業以外の場面でもiPadを有効に活用できるのでしょうか?
(槍崎瑞之先生)
運動部の顧問をしていた時には、練習や試合中の様子をiPadを用いて俯瞰で撮影し、その映像を見てフォームの確認をしていました。また、攻める側と守る側の戦略的思考を共有・分析したうえで次の試合に活用していました。
(藤本邦章先生)
日直には学級日誌をPagesの共同制作機能を活用して書いてもらっていました。Pagesはメディアとの相性がいいので、日直は創意工夫して学級日誌を作っていました。Pages共同制作学級日誌はコロナ禍以前から実施していましたが、コロナ禍におけるリモート学習期間中も学級日誌を継続することができ、生徒は孤独な中で級友とのつながりを実感できたようです。また、聖歌隊は、コロナ禍で部員が集まれない中、リモートで各自パートを演奏しているところを撮影し、それぞれのデータをまとめてひとつのハーモニーにして作品を仕上げました。
Apple製品について
他の端末に比べると、ウィルスの問題が少なく、
またその他の故障等についても少ない
実際に Apple製品を使用して優れていると感じている点はありますか?
(ランドル W.ヴォス校長)
他のデバイスに比べると、ウィルスの問題が少なく、またその他の故障等についても少ないのではないかと思っていました。もちろん、全ての端末の状況を把握しているわけではありませんが、誤って画面を割ってしまったなどの物損故障を除き、製品自体故障することは少ないように感じています。また、全てのホームルーム教室に電子黒板とApple TVを設置しているのですが、スムーズな画面投影が可能になったことで、授業の効率化と生徒の理解度向上につながっていると思います。
(藤本邦章先生)
iPadは「PDFの表示」、「ワープロソフトPagesのメディアの処理」、「EPUBファイルの扱い」、「ノートアプリ」の面で教育分野では特に優れていると思います。iPadは単なる文房具ではなく、創造的な用途において活用させたいと思っています。創造というと、例えば絵を描くだとか楽器を弾くだとか「技術」が必要に思えますが、iPadを使用することで、技術の部分をテクノロジーで解決することができ、誰もが創造的なものを作れるようになると感じています。
BYOD販売サービス「アカデミコナビ」について
入学時に全生徒へ滞りなく端末が行き届いている
弊社のサービスで満足している点はありますか?
(藤本邦章先生・槍崎瑞之先生)
なによりもまず、入学時に全生徒へ滞りなく端末が行き届いていることです。加賀ソルネットに販売・キッティングのすべてを入学前から一括管理していただけるおかげで、入学後すぐに全科目の授業でiPadを使用することができました。特にコロナ禍にその対応ができたことは大きかったです。
(鳥居洋介先生)
何か困ったときにこちらからの質問に対して、すぐに回答が来ることにも満足しています。ヘルプデスクのような存在がいるのは非常に心強いです。
私立高校では、教育の質を高めていくことがとても重要
今後、弊社に期待することを教えていただけますでしょうか?
(ランドル W.ヴォス校長)
私立高校では、教育の質を高めていくことがとても重要であると考えます。学園の教育理念にどれほど近づいて教育活動を実施できるか、お預かりしている生徒に対し、学園として約束したことを守れているかを見せていきたいと思っています。
県内でも早い段階でiPadを生徒に持たせてきたが、今後はただiPadを使うだけではなく、どのように使用していくかということを考える段階に来ていると感じます。Appleには認定校(弊社注=Apple Distinguished School)という資格制度があることを聞きました。資格取得が簡単なものだとは思いませんが、教員のスキルアップにもつながることが期待できますし、最終的に生徒のためになるものであれば、加賀ソルネットから情報をもらいながら、挑戦していくことも考えたいと思います。
(槍崎瑞之先生)
一人一台端末を持たせ、その後端末を持たせたらどのようなことができるのか?という議論を他校の先生方としたいと思っていたときにコロナ禍になってしまい、人と集まる機会が制限されることとなってしまいました。コロナ禍を経て、生徒も教員も端末を手離せない状況になりました。少しずつ日常生活が戻ってくる現在、ICT教育の次のステージは「コロナ後の端末の活用方法」になると考えます。
今後端末をどのように活用していくか、テーマを決めて加賀ソルネットとパイプがある学校の先生と話す機会があると嬉しいなと思います。中学・高校時代に端末を使用していた学生が教員になって戻ってくる時代になりつつあるので、そのような教員の先生方ともいろいろ異論する機会があると嬉しいです。
(鳥居洋介先生)
現在、Jamfの操作方法でわからないことがあった際、マニュアル提供などのサポートをしていただいております。そのこと自体も大変心強いのですが、教員を集め講習会のようなものを開催していただけると使いやすさについて教員の理解が深まると考えます。
運用について困っている点に対し、速やかに対応
教員向けJamf講習会を実施
Jamf運用のサポートとして教員様対象講習会を実施いたしました。
運用をしている上で現場の教員が困っている点・質問したい内容を事前にお伺いし、講師である弊社技術担当が専用メニューを作成いたしました。また、レクチャーした内容から派生した新たな質問も多くいただき、参加いただいた先生の熱心さが感じられました。
加賀ソルネットは、学校の皆様が課題に感じている点に対し、速やかに対応するとともに、技術面でのサポートで満足いただけるパートナーとして、お役に立てるよう精進してまいります。